引き波について
それはどうしてかというと、「引き波」の影響が大きいからです。
モーターボートは、モーター(エンジン)でプロペラを回し、プロペラで水を掴んで後ろに押し出し、ボートはその推進力で前に進みます。
ボートが前進する時に作り出した航跡を「引き波」と呼びます。
この「引き波」の中に他の艇が入ると、「キャビテーション(キャビ・キャビる)」という「プロペラの空転現象」が起こります。
プロペラが空転するとそれだけ推進力が無くなり、ボート自体のスピードが落ちてしまうのです。
スピードが落ちればもちろん先行艇にリードされてしまう、ということになります。
競艇では、先行艇が「絞る(前を走る選手が後ろにいる選手の前を斜めに横切ること)」シーンをよく見かけます。
斜めに走ると走行距離が伸びて不利なように思えますが、これには理由があります。
先行艇が絞っていくと、後続艇は先行艇の作り出した航跡の中に入ってしまい、引き波を受けてしまうのです。
これらを利用して格下選手が格上選手に勝利するチャンスを得ることが可能になるのです。
つまり、競艇の基本は「相手の艇を引き波に沈め、着順を争う競技である」と言えるでしょう。