女性騎手
京都競馬倶楽部の騎手免許試験に合格した斉藤澄子さんですが、反対運動やレース出場禁止の通達などに阻まれ、一度も騎乗することなく引退を余儀なくされました。
このように誕生時から不遇に満ちた女性騎手の存在は、残念ながら現在もあまり良い環境に恵まれているとは言えない状況が続いています。
競馬の世界は完全な男社会であり、女性の存在そのものが「異色」と捉えられてしまいます。
それは騎手だけではなく、調教師や厩務員にまで及ぶものであり、古い因習がいまだに根強く残っている証拠でもあります。
それでもアメリカでは一流騎手としての実績をあげたジュリー・クローンが2000年に女性騎手として初めて競馬の殿堂入りを果たしています。
また2002年には中央競馬の短期騎手免許を取得したニュージーランドのロシェル・ロケットが中山大障害に優勝し、中央競馬初の女性騎手による重賞・G1レースを獲得しました。
地方競馬においても、名古屋競馬場所属の宮下瞳騎手が女性騎手としての最多勝利記録を更新中です。
ただ、中央競馬における日本人の女性騎手については今のところ目立った活躍は見られません。
一時期、多くの女性騎手がデビューし、その活躍が期待されましたが、活躍の場の少なさなどで冷遇されている環境下においては、なかなか思うような成績を残せていないのが現状です。